

早いもので、料理の仕事を始めて30数年が経ちます。
この仕事がきっかけとなって器が好きになり、少しずつ集めるようにもなりました。
わが家の食器棚には、日常使いの白い器から、
旅先で見つけたいろいろな国の器まで、さまざまなものが並んでいますが、
最初に夢中になって集めたのは、土ものの和食器でした。
和食で育った影響からか、温もりのある陶器や、
幼い頃から親しんだ漆器などの和食器がなにより好きで、毎日の食卓にも欠かせません。
とくに、大晦日、お正月と、家族が集まり、おもてなしの機会も増えるこの時季は、
おせちを盛り付ける漆の重箱や、たっぷりの雑煮が入る合鹿椀といった、和食器が大活躍。
また、大根や白菜、春菊、ほうれん草、小松菜など、
日本の冬野菜を使った滋味あふれる料理を、
お気に入りの和食器に盛り付けるとぴたっと決まり、うれしくなります。
私が集めてきた器のなかでもとくに多いのが、片方に注ぎ口が付いた「片口鉢」。
ふつうの鉢に比べて表情が豊かで、料理の盛り映えがするところに惹かれ、
気がつけば和食器だけでなく、
洋食器や金属素材など大小さまざまな片口鉢が集まり、
わが家の食器棚をにぎわせています。
この持ち手がついた美濃焼の片口鉢は、納豆を混ぜるときに便利な納豆鉢として作りました。
たれやソースを入れたり、お酒を入れて徳利代わりにしたり、ミルクを入れてティータイムにも使えます。
おせち料理に欠かせない漆塗りの重箱も、
デザインを変えて毎年作ってきた自信作です。
愛らしい小ぶりの3段重は、食卓が華やかになるよう、
シルバーでストライプ柄をあしらったもの。
お正月に限らず、祝い事や、お花見、行楽弁当のほか、ふだんは、和菓子や洋菓子を入れるなど、重宝しています。
ごまをすってそのまま食卓に出せるような片口すり鉢や、
かぶやダリアをあしらった重箱をはじめ、
日本の花をかたどった小さな豆皿、
ストライプ柄の飯碗、サクラやケヤキの汁椀など、
自分でデザインを手がけた和食器も、今ではたくさんの種類ができました。
和食器には、他にも小鉢、細長い皿、大皿といろいろな形があり、
素材も、陶器やガラス、木や竹とさまざまで、
日本の料理と同じく、その多様さにあらためて驚きます。
冬野菜が甘みを増しておいしくなるこれからの季節、
和食器と共に日本のおいしい冬を楽しみましょう!
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