お互いの誕生日や季節の行事には、家族で集まることを大切にしてきた栗原家。主婦として、いつも家族の笑顔のために、愛情いっぱいおいしい食事を作ってきた母 栗原はるみと、そんな母親の姿をずっと見続けてきた息子 栗原心平に、それぞれにとっての「母の日」への思いを聞いてみました。


料理家としてどんなに仕事が忙しくなっても母親であることを忘れませんでした。私の母が歳をとってからは、声を聞かせて元気にしたくて毎日電話をかけたり、好物を手作りして送ったりして励ましていました。
離れているとなかなか思うように気持ちが伝えられないから、感謝の気持ちを言葉にして伝えることが大切だと思います。

リビングの壁に飾られた家族の思い出の写真は、ふと目に入ると温かい気持ちになれる場所
<撮影:栗原はるみ>
自分が親になり子育てをして、あらためて親がしてくれたことや愛情をもって育ててくれたことのありがたさを感じました。息子や娘が気にかけて毎日連絡してくれたり、おいしいものが手に入ると届けてくれたり、いつも私を思いやってくれるのはうれしいものです。

ふだんは便利なメールや電話で済ませてしまいがちですが、母の日には、短くてもいいので手書きのメッセージを添えると気持ちが伝わるのではないかと思います。ぜひお母さんに自分の素直な気持ちをこめて「ありがとう」のひと言も伝えてみてください。
栗原はるみ



家族のことをいつも気にかけてくれるお母さんに、日頃の感謝の気持ちを伝えたい。母の日が近づくと、毎年何を贈ろうか迷ってしまう方も多いはず。そんなときは、一緒に過ごす時間を贈ってみるのも良いかもしれません。そこで今回は、栗原心平に「母の日に作ってあげたい料理」をリクエスト! ちょっとひと手間かけるだけで見栄えもする、3種のカルパッチョをご紹介します。お母さんの好きなおかずや、みんなで作った料理を食卓に並べて、お母さんにありがとうを伝えてみませんか。

朝、実家に顔を出したり、時間を見つけて会いに行ったりと、母とはふだんからちょくちょく会っている方だと思いますが、母の日くらいは少しかしこまって、日頃の感謝の気持ちを伝えたいと思っています。今回レシピを考えるにあたって、母に「何が食べたい?」と聞いたところ、以前僕が作ったカルパッチョがおいしかったから、それが食べたいというので、ふだんよりちょっと丁寧にひと手間かけて、見た目も楽しくなるようなカルパッチョを作ることにしました。
もてなし料理といっても、何も豪華なものでなくても、相手が好きなもの、食べたいものを作ってあげるのが、いちばんのごちそう。だから僕はいつも、どんなものが食べたいのか事前に聞くようにしています。ぜひ「母の日」を機に、一度お母さんの好きな料理を聞いてみてくださいね。それが会話のきっかけになり、親子のかけがえのないひと時になれば幸いです。
栗原心平
シンプルな味つけで
ディルとすだちの香りが広がる
タイとズッキーニのカルパッチョ

[材料:2人分]
タイ(刺身用・サク)…120g
ズッキーニ(緑・黄)…各1/2本(80g)
塩…小さじ1/3
卵…1個
パルミジャーノ…15g
黒こしょう…適量
オリーブ油…大さじ1と1/2
ディル…適量
すだち…1個


①ゆで卵を作る。沸騰した湯に冷蔵庫から出した卵をそっと入れ、沸かした状態で7分茹でる。氷水にとって冷やし、殻をむく。
②ズッキーニはピーラーで縦薄切りにして氷水につける。水気をしっかりふき取り、器に盛る。
③タイはそぎ切りにして器に盛る。
④塩を振って半分に切った①をのせ、パルミジャーノを砕いて散らし、ゆで卵に黒こしょうを振る。
⑤オリーブ油を全体に回しかけてディルをのせ、半分に切ったすだちを添える。
それぞれの食材にひと手間加えて
一体感のある味わいに
イカと芽キャベツのカルパッチョ

[材料:2人分]
イカ(刺身用・胴のみ)…120g
芽キャベツ…2個
青じそ…10枚
しょうが…小1片
すし酢…大さじ1
塩…小さじ1/3
揚げ油…適量
板海苔…3枚
ミニトマト…3個


①青じそは茎を切り落とす。しょうがは薄切りにする。フードプロセッサーに青じそ、しょうが、[A]を入れ、青じそとしょうがが細かく混ざり合うまで回す。
②イカは3mm程の厚さに切って格子状の斜めに切り込みを入れる。熱湯でさっと茹でて取り出し、氷水に入れて冷まし、しっかり水気をふき取る。
③芽キャベツは何カ所か深く切れ目を入れ、食べやすい大きさに手で割る。熱湯で食感が残る程度に茹でて取り出し、氷水に入れて冷まし、しっかり水気をふき取る。
④揚げ油を中温に熱し、海苔を入れてさっと揚げ、しっかり油をきる。
⑤ミニトマトは最後まで切り落とずに皮1枚だけ残し、縦半分に切れ目を入れて開く。
⑥器に②、③、⑤を盛り、塩少々(分量外)を振って①を回しかけ、④を手で握って崩し、散らす。
花椒とわさびがアクセント
マグロとれんこんチップスのカルパッチョ

[材料:2人分]
マグロ(刺身用・サク)…170g
れんこん…70g
花椒…小さじ1/2
みりん…大さじ1
砂糖…小さじ1
しょうゆ…大さじ1と1/2
みりん…大さじ1
砂糖…小さじ1
塩…少々
わさび…適量
ゆずの皮…適宜
姫三つ葉…適宜
ごま油…適宜


①れんこんは皮をむき、薄く輪切りにして水にさらし、水気をふき取る。揚げ油を中温に熱し、れんこんを入れてきつね色にパリっと揚げ、油をきる。
②花椒はすり鉢に入れてすりつぶす。フライパンにAを入れて火にかける。沸いたら花椒を加えてひと煮たちしたら火を止め、氷水を入れたボウルの上にのせて急冷する。
③マグロは3㎜程の厚さに切って器に並べ、塩を振る。
④③の上に①をのせ、②をかけてわさびをのせる。ゆずの皮を散らして姫三つ葉をのせ、ごま油を回しかける。



2020年1月29日~2月11日の期間、母の日ギフトに関するアンケート調査を実施しました。栗原はるみ・栗原心平へのたくさんの温かいメッセージやご質問をお寄せいただき、ありがとうございました。皆さまからいただいたご質問にふたりがお答えします。
栗原はるみへの質問

©【竹内章雄】扶桑社 haru_mi 2016年秋号
栗原心平への質問
