ゆとりの空間のお中元 2019

HOME さもないことと家族 > さもないことと家族 その4 さもないことを大切に

さもないことと家族

さもないことと家族

その3

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-前回のおべんとう作りもそうですが、
毎日の暮らしを楽しくしたいというはるみさんの思いが伝わってきます。
はるみ
毎朝のおべんとう作りも、1年なら頑張れるけど、5年10年となるとラクなことではないですよね。切ない日もあるでしょう。でも、義務感でいやいや作ったら、やっぱり料理はおいしくできない。せっかく作るんだからおいしく食べてもらいたいし、自分も楽しみたい。それにはどうしたら楽しくできるか、機嫌よく毎日を過ごせるか、自分で見つけることが大切じゃないかな。
心平
自分が楽しくするのって、誰かに教えてもらうことじゃないんだな、とだんだんわかってきた気がする。
はるみ
結婚して45年になるけど、主婦の仕事って本当に毎日変わらないことの繰り返しでしょう。一生懸命やってもなかなか認めてもらえないし…。でも、そんなときこそワクワクする自分の好きなことをやるの。私の場合は、たとえば部屋の模様替えだったり、庭の花を家中に生けてみたり、器の収納を入れ替えたり。どんな小さなことでも、自分の楽しみを見つけることが大切だと思う。
心平
そういえば母親の機嫌の悪い顔って、今まで見たことないなぁ。それだけでもすごいと思う。家族って、みんな同じじゃないから、バランスをとってくれる、調和を保ってくれる人が必要なんだよね。みんなの気持ちをふわっと受け止めてくれる、それがうちの母親。今は僕だと思うけど(笑)。
はるみ
はい、頼りにしています(笑)。子どもたちが家にいるときには、子どもの友達もしょっちゅう遊びに来てくれて、親も楽しいでしょ。でも独立してしまうと、当たり前なんだけど親の暮らしはちょっと寂しくなる。それを子どもたちがちゃんとわかっていて心にかけてくれる、その気持ちがうれしいの。一昨日も心平の友達の家に、一緒に遊びに行ったりしてね。
心平
まるで母親の友達みたいだよね、仲がよくて。
はるみ
そうそう、子どもたちの連れ合いも本当に仲よし。魚屋さんで働いている賀茂くん(お婿さん)も毎日のようにメールをくれて、主人と私を気遣ってくれる。美由紀ちゃん(お嫁さん)もよく遊びに来て、いろいろおしゃべりしたりね。さもないことだけど、こういうつながりがなによりうれしい。家族の輪が広がっていくのが幸せだなあって、いつも思います。
-「さもないこと」って、はるみさんがよく使う言葉ですね。
はるみ
私の母がふだんから使っていた言葉なの。さもないことって、たいしたことはない、なんということもないというようなこと。暮らしの中の小さな楽しみとか幸せとか、そんなさもないことを見つけて大切にしたいなって。
心平
僕も昔から母の言葉を聞いていて、大切にしたいと思ってる。さもないことって、ひと手間かけることじゃないかな。家族の気持ちを大事にしたり、家事をていねいにしたり、なにげないことだけど、その手間を惜しまないようにしたい。
はるみ
たとえば、うちでは玄関のスリッパ入れのカバーに、スリッパのかわいいモチーフを刺しゅうしているの。おもてなしの気持ちもあるし、お客さまがひと目でわかるようにということもあって。本当にさもないことだけど、こういう心遣いが家の中にいっぱいあったら、自分が幸せな気持ちになるから。
心平
トイレのリネンタオルにも、ハーブとかTシャツとかの模様を刺しゅうしてるよね。いつも見るだけでちょっとうれしくなる。
はるみ
心平も、朝シャワーを浴びたついでにお風呂掃除をするって言ってたでしょ。
心平
うん、さっときれいになるから気持ちがいいしね。そういうまめなとこ、母親似かも(笑)。
はるみ
ささやかだけど自分にとって心地いいこと、家族やまわりの人が喜んでくれることが、さもないことだと思うの。
心平
めんどうくさいことこそ、進んでやる(笑)。
はるみ
そうね。さもないことを大切にして、家族が仲よくできるのがいちばん。ありがとうの気持ちを忘れずにいたいです。
(おわり)

その3

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