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暮らしを味わう 季節の手仕事

暮らしのなかにある手仕事。季節ならではの食材にひと手間をかける時間は、何と言っても、五感で旬を体感できるのが醍醐味です。

丁寧に手を動かすことの贅沢さや、できあがりを待つ時間もまた、暮らしの豊かさを教えてくれます。

今回は、四季の移ろいとともに楽しむ、ゆとりの空間おすすめの、3つの手仕事をご紹介します。

手仕事の定番
家族みんなで楽しむ「梅仕事」

6月の手仕事の代表格といえば、梅仕事。店先に青々とした梅が並び始めると、「今年もそんな季節がやってきたな」と、手仕事に思いを巡らせます.

梅酒やシロップ、梅干しなど、梅仕事にもさまざまありますが、甘い仕上がりで、子どもから大人まで楽しめる青梅シロップはおすすめです。

準備する材料も道具も少なく、シンプルな工程が、初心者でもはじめやすくうれしい手仕事です。

ひとつひとつの梅の実から、竹串を使って丁寧にへたを取り除いていく作業。

さわやかな香りの中で、青梅の触感を指先に感じながら手を進めるひと手間に、季節の移ろいと暮らしの豊かさが実感できます。

指先を使う細かな作業は、子どもにとってもやさしく親しみやすいもの。季節の会話を楽しみながら家族みんなで取り組めるのも、梅仕事の魅力です。

下準備であく抜きの時間や、漬けた後に青梅のエキスがじわじわと染み出していくまでの時間。こうした「待つ」時間も、手仕事にはつきもの。

変化する様子を見守りながら、でき上がりをじっくり待ち遠しく思うのも手仕事の醍醐味です。

「おいしくできますように」と願って、ワクワク感を味わいながら、シロップを育てていきましょう。

1カ月ほど経ち、梅が少し縮んでしわしわになったら、いよいよでき上がりの合図です。

青梅シロップは、水や炭酸水、お酒など、好みで割っておいしくいただけます。

これからの季節は、よく冷えた炭酸で割った、シュワシュワの青梅ソーダがとってもおすすめ。夏はかき氷にかけてもおいしそうです。

大人も子どもも楽しめる青梅シロップ、ぜひ家族で楽しんで、好みの使い方を見つけてくださいね。

たくさんでき上ったら、小分けにして保存したり、親しい人におすそ分けするのもいいですね。冷蔵庫で約1年保存が可能だから、長く、ゆっくりと季節の余韻を楽しめるのも、うれしいところ。

一度自分の手で仕込む喜びを感じると、きっとまた来年、梅の季節が巡ってきたときに、季節の見え方や、暮らしの楽しみ方がきっと広がりますよ。

手間ひまをかけるからこそ味わえる、ごほうびのように贅沢な手仕事の魅力を、ぜひ体感してみてくださいね。

ことこと煮込んで自分好みに
ごちそう「ジャム仕事」

みずみずしい果物のおいしさがたっぷり詰まった手作りのジャム。ご紹介するのは甘夏ジャムですが、季節によって果物の種類を変えたり、甘さや果肉の量を調節が可能な、通年を通して自分好みで楽しめる手仕事です。

初夏におすすめの甘夏ジャムは、皮をたっぷり入れるのがポイント。甘酸っぱさの中にちょっぴりほろ苦さがある、大人っぽい仕上がりになります。

丁寧に行う皮の処理や、焦げないように様子を見守りながらコトコトと煮込む時間のひと手間。そうしてでき上がるジャムには、手仕事ならではの贅沢がたっぷりと詰まっています。

ジャムに心地よい苦みを加え、仕上がりをおいしくしてくれる皮。苦みが強くならないように、白いわたを丁寧にそぎ切り、きれいに取り除き、細く刻みます。皮を細く刻むことで、ほどよい食感のアクセントが加わります。

あくを取り除くために下茹すると、えぐみがやわらいで、仕上がりがよりおいしくなります。

そして、ことこと煮込む時間もまた、手作りジャムの醍醐味。丁寧にアクを取りながら木べらを動かしていくうちに、つややかで美しいジャムへと仕上がっていきます。

1つ1つの工程に、手間をかけてでき上がるジャムは格別なごちそうです。

できあがったジャムは、毎日のトーストやホットケーキにバターと一緒に添えたり、ヨーグルトや、紅茶に入れてもおいしくいただけます。

身近な季節の果物でいろいろとアレンジが効き、気軽に試せるのもジャム仕事の魅力です。季節の果物に目を向けて、暮らしの中に、手作りジャムを取り入れて、お気に入りの旬の味わいを見つけてみてくださいね。

おいしさぎゅっと凝縮
太陽と力を合わせて「干し仕事」

一見ハードルが高そうに見えて、実は準備も手順もとてもシンプルな「干し野菜」。

通気性のよい竹ざるなどの道具を揃えたら、あとは好みの野菜をカットして、日の当たる場所に並べて干す。そんなお日様の力を借りて楽しむ、素朴で心地いい手仕事です。

水分が抜けた干し野菜は、その後の料理にうれしいメリットがたくさん。

余分な水分が出ないため、炒めものでもシャキッとした食感が引き立ちます。また、マリネなどの漬ける料理でも味がぼやけることなく、調味料がしっかりと染み込みます。

野菜によって、干す時間や塩梅は異なりますが、残り野菜などで、数種類を少しずつまとめて干すのも彩りにぎやかになって楽しいですよ。

◎干しトマト

トマトは天日干しすると、甘さとうま味がぎゅっと凝縮されます。セミドライの状態でオイルに漬け込むと、料理の幅を広げて、長く楽しめる一品に。

サイズの小さいミニトマトなら水分が比較的抜けやすく、干し具合がわかりやすいのでおすすめです。真っ赤なトマトがざるに並んで太陽の光を浴びる様子も、かわいらしく楽し気です。

にんにくやツナ、好みの魚介などと合わせればごちそうペペロンチーノに。リコッタチーズと和えれば、キリっと冷えた白ワインにぴったりのおつまみにもなります。

いつも作っているポテトサラダのような定番のおかずに、アクセントとして足してみてもおいしそうです。

漬けていたオイルも、トマトの香りが心地よく、ドレッシングや料理にも使えて、楽しみ方は本当にいろいろ。

「実は手仕事のひと手間がかかっている」と思うと、いつもの料理が特別なごちそうに、よりおいしく感じられます。

◎干しなす

ナスは、実は水分が抜けるのが早い、干し野菜におすすめの食材です。朝のうちに干しておけば、その日の夜ごはんのおかずにも使えます。水分が抜けることで旨みがぎゅっと凝縮され、切り方によって異なる歯ごたえを楽しめるのも魅力です。

シャキシャキとした食感に味がしっかりと染み込んだナスのマリネは、夏にかけてとてもおいしくいただけます。


◆「干しなすのマリネ」のレシピはこちら


素材に合わせて、干す時間を変えたり、切り方による食感の違いを試してみたり。干し野菜の楽しみ方は無限大です。きのこや、果物ならりんごも初心者でも試しやすくておすすめですよ。

お天気を気にしながら乾燥具合をチェックしてみたり、陽の傾きに合わせて、干す場所を少し調整してみたり。そんなひと手間は、暮らしをじっくりと体で味わうような贅沢な時間です。ぜひ、これからの季節、太陽と力をあわせて干し仕事を始めてみませんか。